宮本武蔵

津本陽宮本武蔵」を読んだ。

宮本武蔵 (文春文庫)

宮本武蔵 (文春文庫)

ここのところ吉川版以外の武蔵をよく読む。
バガボンド」は吉川版だが、独自の解釈がある。
バガボンド(1)(モーニングKC)

バガボンド(1)(モーニングKC)

そして司馬遼太郎版には思いがけない面白さがあった。
新装版 宮本武蔵 (朝日文庫)

新装版 宮本武蔵 (朝日文庫)

今回読んだ津本版の良さは、
武術家としての武蔵の成長の過程が、
具体的に追っていけることにある。
またこれまでの作品では、
あまり描かれなかった父新免無二斎による稽古など、
新しい視点があって興味深い。
もちろん武蔵に関する史料そのものが、
はっきりしないことが多いせいで、
様々な解釈が成り立ち得る。
そこが小説家の腕の見せ所でもあるのだが。
とにかく同じ人物を扱う作品で、
様々に楽しめるのはありがたい。