- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1999/10
- メディア: 文庫
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とても興味深く面白い本であった。
小説とも評伝とも随筆とも言えないような文であったが、
例えば新免衆や長岡佐渡との関わり、
収入を得る手段や仕官する活動の話、
柳生兵庫助や宝蔵院や夢想権之助とのことなど、
知らなかった話も多く、
あっという間に読み切ってしまった。
昔、菊池寛と吉川英治が、
「宮本武蔵は本当に名人か?」
というテーマで論争したらしい。
それがきっかけで吉川版武蔵が生まれたとのことだ。
司馬遼太郎はどう評価したかと言えば、
とても冷静に描いているが、
武蔵は天才剣士であり、
同時にかなりの戦略家であったという、
どちらかと言えば武蔵に好意的な見方である。
剣の術技についても詳しく描かれていて、
想像以上に楽しく読める本であった。