宮本武蔵

司馬遼太郎宮本武蔵」を読んだ。

宮本武蔵 (朝日文庫)

宮本武蔵 (朝日文庫)

吉川版武蔵しか知らない私にとって、
とても興味深く面白い本であった。
小説とも評伝とも随筆とも言えないような文であったが、
例えば新免衆や長岡佐渡との関わり、
収入を得る手段や仕官する活動の話、
柳生兵庫助や宝蔵院や夢想権之助とのことなど、
知らなかった話も多く、
あっという間に読み切ってしまった。
昔、菊池寛吉川英治が、
宮本武蔵は本当に名人か?」
というテーマで論争したらしい。
それがきっかけで吉川版武蔵が生まれたとのことだ。
司馬遼太郎はどう評価したかと言えば、
とても冷静に描いているが、
武蔵は天才剣士であり、
同時にかなりの戦略家であったという、
どちらかと言えば武蔵に好意的な見方である。
剣の術技についても詳しく描かれていて、
想像以上に楽しく読める本であった。