熊さん

先日の事。
夕方からの中国語教室の授業のため、
最寄駅までの道を歩いていた。
車は通らないが、
自転車や歩行者の通る道だった。
向かいから自転車に乗った男性がやってきた。
年のころはおそらく30代後半から40代、
太ってがっちりした体格、
日焼けしていて髭を伸ばしており、
作業用の服を着ていて、
建築関係の仕事をしている人、
といった感じであった。
昼間の暑さも少しおさまって、
風の吹いている夕暮れ、
気持ちの良さもあってか、
彼は口笛を吹いていた。
近づいてきてすれ違う時に、
口笛のメロディが聞き取れた。
「もりのくまさん」であった。
いかにも「熊さん」という感じの男が、
「もりのくまさん」を口笛で吹いている、
というのは何ともユーモラスで、
笑いをこらえるのに苦労した。