悪の経典

貴志祐介「悪の経典」を読んだ。

悪の教典

悪の教典

映画化されていて、
その題名だけは以前から知っていた。これまでいくつかこの作家の作品を読んだが、
これはとても恐ろしい話である。
サイコパスである高校教師が主人公で、
周囲で邪魔になる人間を次々に殺していく。
あまりに多くの人間を殺しすぎるので、
実際にはあり得ないだろうが、
それにしても救いがない。
学生時代の自分の人間性を見破った少女との関わりが、
唯一救いと言えば救いになるかもしれない。
恐ろしい話であるにもかかわらず、
続きが気になって読み進んでしまうのは、
やはりこの作家の筆の力だろう。