青の炎

貴志祐介「青の炎」を読んだ。

青の炎

青の炎

働かず飲んだくれて、
暴力をふるい子供を虐待する、
どうしようもない義理の父を殺す高校生が主人公である。
頭のいい主人公が、
綿密な殺人計画を立て、
またさらに殺人を重ねる感じは、
同じ作家の「悪の経典」に似ている。
悪の教典〈上〉 (文春文庫)

悪の教典〈上〉 (文春文庫)

異なるのは、
主人公が母と妹を思うまともな人格を持つことである。
悲しい結末だが、
それもまだ救いになる。
後味がいいわけではないが、
読み応えのある小説であった。