黄金結界

加門七海「黄金結界」を読んだ。

黄金結界―甲州埋蔵金の呪いに挑む

黄金結界―甲州埋蔵金の呪いに挑む

サブタイトルにあるが、
甲州埋蔵金の呪いに挑む」
つまり埋蔵金に関する話である。
埋蔵金探しにとりつかれた人から、
呪いに関する依頼を受けた著者が、
調査を進めていく話である。
小説ではない。
何となく読み始めたが案外面白い。
まず埋蔵金を本気で探している人がいる、
ということ自体が興味深い。
その研究の深さやかけてきた年月を考えると、
よく「埋蔵金に取り憑かれた」などと言うが、
本当にそうした霊に取り憑かれているのでは、
と思わせる。
また著者加門七海の博識ぶりがすごい。
何か1つわかったことがあると、
それに関して「ピンとくる」という。
それはそもそも広くて深い知識があって初めて、
「ピンとくる」ことが起こるわけで、
著者の知識の深さにも驚く。
また埋蔵金には呪いがかかっているという。
これほどの執念や技術や知識があっても、
埋蔵金が掘り出せないのは、
埋めた人の呪いがかかっているためだという。
読んでいてそれが真実味を帯びてくる。
なかなか読み応えのある作品であった。