たてもの怪談

加門七海「たてもの怪談」を読んだ。

たてもの怪談

たてもの怪談

長編短編取り交ぜて9つの話が書かれている。
長編は作家自身の引っ越しについての話であり、
物件探しからお祓いや引っ越しまで、
見える作家としての苦労がある。
この人は仕事だからある意味仕方ないが、
一般の人が見えたり感じたりして、
また風水などの知識があって、
物件探しをやろうとすると、
どれほど大変だろう。
そう思わせる話であった。
すべて作家の鋭敏な感覚による、
怪異にまつわる話であるが、
この作家は文章力が高いので、
読んでいて退屈しないし心地よい。
久しぶりに楽しく読めた怪談物であった。