着物憑き

加門七海「着物憑き」を読んだ。

 

着物憑き

着物憑き

  • 作者:加門 七海
  • 発売日: 2019/11/26
  • メディア: 単行本
 

 怪談はさほど多くない。

着物や付随する身につけるものに関する情報量がすごい。

言葉の意味すら知らないものがたくさん出てくる。

生徒さんたちに聞いてみると、

案外詳しい方が数人おられた。

思えば私も柔道着や空手着や剣道着は着たことがあるし、

在家得度のときの僧衣や山伏体験のときの山伏装束など、

着物を着たことがあるのを思い出した。

もちろん女の人が着るものとは比較にならないが、

結婚式の時の羽織袴もそうだ。

特に印象深いのは居合を習ったときの帯の結び方だ。

中央に帯が十字になるように結ぶのだ。

よくこんなことを昔の人は考えたものだと思った。

「着物憑き」の内容に戻ると、

もちろん怪談話もある。

私が好きなのは後半に出てくる、

親戚のおばさんがおばあさんの振り袖を勝手に持っていく話だ。

怖いような痛快なような話である。