怪談を書く怪談

加門七海「怪談を書く怪談」を読んだ。

これは小説ではなくエッセイであり、
加門七海の実体験が描かれている。
私はこの手のものが一番好きだ。
12編の短編から成る。
特に気に入ったものは4編。
海にまつわる「船玉」は、
我々の周りにもありそうな、
霊能者教団の念が恐ろしい。
「とある三味線弾きのこと」は、
芸術系にはこういうことは有るんだろうな、
と思える話。
「茶飲み話」は庭の古木を切ることに関する話で、
本当のところはわからないものの、
庭の木に対する姿勢を考えさせられる。
「聖者たち(二)」は、
著者加門七海の物を貰う因縁の凄さに驚く。
いずれにせよ、
どの話もとても興味深く面白い。