複数の要素

去年から、
武術への興味がなくなり、
神社仏閣に行くようになった。
こうなるには、
いくつかの要素が重なったのである。
まず自分の年齢、
自分が死んだ後の子供たちのこと、
母の病気及び老化、
山を走る楽しさに目覚めたこと、
それに伴う修験道への興味と関連書籍を読んだこと、
怪談会で聞いた子孫に及ぶ影響の怖い話、
それに関して読んだ密教の本、
叔母と母の実家のお墓の問題、
従兄弟の間の遺産分割協議、
そして極め付きはウチが真言宗だったこと。
もともと私は、
インドに瞑想修行に行ったり、
上座部仏教の10日間修行に行ったり、
曹洞宗坐禅会に行ったりしていたので、
そういう方面の知識や興味はあったのだ。
今でも坐禅会にはたまに行っている。
しかしそれはあくまでも、
個人の修行であった。
ここ数年になって、
家族や周囲のことを考えるようになったのだ。
特に障害ある子供については、
社会的にやるべきことは勿論やるが、
手が届かない範囲のことや、
自分が死んだ後のことを考えると、
あとできるのは祈ることしかない。
というわけで、
ここしばらくそうした世界への傾斜が、
急速に進んでいったわけである。