エトロフ発緊急電

佐々木譲「エトロフ発緊急電」を読んだ。

エトロフ発緊急電 (新潮文庫)

エトロフ発緊急電 (新潮文庫)

真珠湾攻撃直前の、
日系人スパイを描いた冒険小説。
佐々木譲は好きな作家だが、
警察物以外の作品を読むのは初めてだ。
話の展開や描き方が、
まるで映画を見ているようで面白くよかった。
ただ特に印象に残るのは、
異民族間の感情や、
疎外されている側の気持ちを、
偏りなく描いているところであった。
佐々木譲の作家としての緻密さや力量を、
十分に堪能できる作品だと思う。