朱川湊人氏の「冥の水底」を読んだ。
- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/29
- メディア: 単行本
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これは長編の力作である。
現代の時代の主人公の動きと、
異形の主人公の手紙が交互に描かれて、
どんどん読み進んでしまう。
現代の主人公には、
その境遇と息子との関わり合いが胸を打つ。
一方、異形の主人公の純粋さと、
それがゆえの悲しさと憐れさが際立っている。
ほとんどすべての登場人物の悲しい生き方の中で、
わずかに救いがあるのも朱川作品の特徴かもしれない。
かなりの長編ではあるが、
一気に読んでしまう引き込む力を持った作品であった。