風狂活法杖

佐江衆一風狂活法杖」を読んだ。

風狂活法杖

風狂活法杖

昨日紹介した「動かぬが勝ち」と、
同じ作家が書いた時代小説である。
動かぬが勝 (新潮文庫)

動かぬが勝 (新潮文庫)

「動かぬが勝ち」が、
人間の心理や江戸情緒をしみじみ描いたのに対し、
こちらは冒険活劇といった感じである。
還暦の老人が主人公というのも珍しい。
かつて剣を使う武士だった主人公が、
老境にさしかかって長屋で町人暮らしをしている。
自分で工夫した杖術を使いながら、
悪人と戦うという話である。
登場人物も水野忠邦や忍者、イギリス軍人、幻術使いなど、
バラエティに富んでいる。
気楽に読める小説であった。