かんじき飛脚

山本一力「かんじき飛脚」を読んだ。

かんじき飛脚

かんじき飛脚

藩に圧力をかけようとしてくる老中松平定信に対して、
重要な薬を運ぶ加賀藩の飛脚たちの奮闘を描く作品である。
後半の飛脚や猟師と公儀隠密との戦いは、
まるでアクション映画を見るようだが、
飛脚に関して知らないことが多かったので面白かった。
指定された旅籠に泊まり、
朝湯につかることや食事の内容まで、
細かくその実態を知ることは興味深い。
越後の「親不知、子不知」についても、
名前は知っていたが、
そのいわれを初めて知ることができた。
もちろん山本一力作品ならではの、
江戸時代の人情を感じられる作品でもあり、
読み応えのある小説であった。