サイレン

先日、ご主人の仕事の都合で、
3年間中国の瀋陽に駐在しておられた方と話した。
その際にいろいろ興味深い話を伺った。
現在の瀋陽はかつて奉天と呼ばれた土地で、
残留孤児の人の多くはそこで暮らしていた。
この瀋陽では、
9月18日になるとサイレンが鳴るのだという。
それは、満州事変のきっかけとなった、
関東軍による南満州鉄道爆破事件の日なのだそうだ。
日本でも原爆記念日などで、
サイレンを鳴らして黙祷をするので、
そのこと自体はどうということはない。
ただ、そういう土地柄であるから、反日感情も強く、
その人も駐在中に、日本人とわかると、
いろいろ嫌な目にあったようだ。
詳細は書かない。
私は中国の東北に行ったことがない。
だからそんなことがあるとは知らなかった。
あったとしても不思議はないとは思うものの、
実際に体験者から具体的な話を聞くと、やはり嫌なものだ。
歴史や政治と、その国の個人とを結びつけて、
先入観を自らのうちに作り上げて、
その先入観に基づいて、
人と接するようなことはすべきではないだろう。
それは中国や日本だけでなく、
どの国であろうと同じ事だ。