一日回峰行(3)

真っ暗の中、

指導者のお坊さんを先頭に出発。

大峯山ではヘッドライトが便利だったが、

こちらでは手持ちの懐中電灯がいいという。

人の顔にライトがあたったりして危険性があるからだそうだ。

歩き始めると分かるが、

案外速いスピードで歩く。

歩いているときには不動明王真言を唱えるよう言われる。

ただやはり坂がきつくなったりすると、

とても唱えられるものではない。

今回とても良かったと思えたのは、

行者さんの歩く道を歩けるその事自体も勿論だが、

行く先々のお堂で勤行を行うと、

指導者のお坊さんから話を聞けたことだ。

例えばあるお堂では四種三昧といって、

四種類の修行の一つを選んで90日間外に出ずに行う。

他にもひたすら伝教大師最澄に仕える修行や、

十二年籠山行など様々な修行の話を直に聞けると、

驚くことばかりで大変に興味深いのだ。