夜明けになって少し明るくなった頃、
雨で空は曇っていてご来光は望めないが、
有名な行場「西の覗き」に来た。
初めて「新客」は人1人ずつ体に縄をつけ、
崖に身を乗り出して恐怖を味わわさせられる。
以前犬鳴山で2回やったが、
ここの高さとやり方は更に恐怖が増す。
かなり前に身を乗り出すし、
いつずり落ちるかという恐怖が尋常ではない。
例によって「家族を大事にする」とか、
「ちゃんと仕事をやる」だとかを約束させられて、
ようやく恐怖の行が終わる。
悲鳴が上がるたびに周りの人からは笑いが起こる。
何ともユニークな修行である。
そしてようやく山上ヶ岳にたどり着き、
大峯山寺にお参りする。
中で勤行が行われたが、
幸運だったのは令和元年の記念として、
平安時代から伝わるという蔵王権現像の御開帳があって拝めたことだった。
さらに役行者の祈りによって、
蔵王権現が現れたという「湧出岩」も見ることが出来た。
まさに今回の1日修行のピークであった。