沙蘭の迷路

ロバート・ファン・ヒューリック「沙蘭の迷路」を読んだ。

沙蘭の迷路 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1823)

沙蘭の迷路 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1823)

ディー判事シリーズというミステリが存在するのは知っていた。
ただ具体的なことはほぼ知らなかったのだが、
今回読むことができた。
日経新聞に紹介記事が出ていたので、
興味を持ったのだ。
作者はオランダの外交官で、
中国語、日本語、サンスクリット語に堪能な人で、
則天武后の時代の宰相である、
「狄仁傑」という主人公の活躍を描いている。
実在の人物であるが、
作品そのものは作者の創作である。
知事としての新しい赴任地が、
悪党に牛耳られており、
有能な部下たちと悪者を一掃し、
難事件を次々と解決していく様は、
胸がすくようである。
西洋人が東洋を描く場合、
的外れで陳腐なものが多いが、
これは中国の歴史を題材にしたものとして、
全く違和感なく読める。
他のシリーズ作も読むつもりである。