隅の老人

昨日書いた「黒後家蜘蛛の会」シリーズで、
人の話を聞いているだけで事件を解決してしまう、
レストラン給仕のヘンリーは、もちろん自分で調査はしない。
このような形を安楽椅子探偵ものと言うらしい。
そして、この種類の探偵物の代表なのが、
「隅の老人」シリーズである。

これも中国語の授業中、何故かは忘れたが、
話の流れでふと思い出したものである。
このシリーズは、私が愛読していたわけではない。
ただ何回か読んで、その変わった形式から記憶にあっただけだが、
難事件を抱えた記者が、
茶店だか何かの店の隅の席にいつも坐っている老人に、
話を聞いてもらい、事件を解決してもらうというものだ。
老人の年齢も名前もわからない、という珍しい形である。
思えば、シャーロックホームズには兄がいて、
やはり話を聞くだけで事件を解決してしまう。
ホームズも兄の能力には舌を巻く、という設定だったと思う。
これもやはり安楽椅子探偵だと言えるだろう。