声の質

日中、専門学校の授業の際、
だいたい私は昼ご飯を食べない。
何となく身体がだるくなったり、
頭が鈍くなった気がするからである。
他の先生達は弁当などを食べておられるので、
私は外に出て書店に行く。
天王寺では最近近鉄百貨店が新しくなり、
ジュンク堂書店が入ったので、
よくそこへ行くようになった。
その途中に気付いたのだが、
エスカレーターに乗っていると、
「いらっしゃいませ。」
とか、
「足下にお気をつけ下さい。」
などというアナウンスが流れる。
その声には聞き覚えがあり、
中年男性とおぼしき耳に心地よい声で、
聞いていて何かとても落ち着く感じがするのである。
テレビ番組「情熱大陸」の、
ナレーターの人そっくりなのだ。
気になっていたが、
たまたま授業の時にそれを話すと、
ある生徒さんが確かにそのナレーターが、
アナウンスをしているのだと教えてくれた。
なるほどと思った。
道理で妙に落ち着くわけである。
声の質というのは何とも不思議なものである。