警視庁FC

今野敏「警視庁FC」を読んだ。

警視庁ＦＣ

映画撮影に関わる仕事をする、
特命の部署FCに所属する警察官が主人公である。
久しぶりに読む今野作品である。
事件物ではあるが、ユーモラスだし明るい。
他の警察物に見られる権力志向、足の引っ張り合い、
駆け引き、情報戦、深刻さなどがほとんどない。
隠蔽捜査シリーズの竜崎などもそうだが、
今野作品の主人公は一風変わっていて面白い。
この作品の主人公の性格も、
いかにもやる気のない現代っ子の警察官である。
そのやる気のなさや無欲さに反して、
事件の核心に近づいて行くのがいい。
気楽な感じで読める小説であった。