太極拳その後(7)

入会してショックだったのは、
メンバーの中で私が最高齢だったことだった。
これまでは太極拳関係の団体にいたので、
私よりも高齢の方はたくさんいたのだが、
今回は30代の人がほとんどであったのだ。
練習が始まってようやくその理由がわかった。
長春八極拳は、体力的にかなりきついのだ。
要求される姿勢はかなり難しく、楽ではない。
練習時間は4時間である。
技をかけられるときには強烈な衝撃がある。
若い頃からやっている人ならともかく、
50を目前にした私にはかなり大変だった。
しかし、
教えてもらうきつい姿勢は力学的に理にかなっており、
外からの衝撃に最も耐えられ、
かつこちらが強い攻撃を出せるように計算されている。
しっかり正確な姿勢が作れて、
強い状態を維持して動くことができれば、
技をかけられた相手は自然に倒れるようにできているのだ。
長春八極拳は、大変優れた実戦武術だと思う。
指導員の方および先輩達は、姿勢が正確で大変強かった。
身体に触れ、技をかけられるたびに、
その強さがひしひしと実感できた。
練習の合間に、
李英先生はじめ様々な先輩達の強さの逸話を聞いたが、
それが実感を持って納得できた。
このような練習を、
幼少から長い年月必死の覚悟をもって練習してきた
李書文、霍殿閣、霍慶雲というこの門派の先達は、
なるほど強いわけだと思えたし、
またそれが普通の武術の常識を越えた、
とんでもないレベルなのであろうということがわかった。
日曜日の練習を終えて、
筋肉痛がどうにか癒えるのが水曜日という有様だったが、
素晴らしいものを教えてもらえる感激と充実感があった。