蒲公英草紙

恩田陸「蒲公英草紙」を読んだ。

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)

戦前の日本のある村での、
少女の目を通して描かれる、
不思議な一族との不思議な話である。
穏やかで優しい、
また不思議で悲しい人間関係が、
情景が目に浮かぶように美しく表現され、
とても読みやすい。
中でも、
「人間は鏡で見る以外自分を見ることが出来ない」
というような言葉が出てくるのが、
私にとって面白く驚きだった。
これは私がここ数年読んでいる種類の本に、
たびたび出てくる概念だからである。
この小説には続編があるので、
そちらも読むつもりである。