深追い

横山秀夫「深追い」を読んだ。

7つの短編からなり、
ある警察署内の様々な部署で、
それぞれの警官が扱う事件を描く警察物である。
それぞれの主人公の立場や考えが、
一風変わっていて面白い。
定年の警官の再就職の世話をする主人公が、
信念に基づく硬骨ぶりを示す「訳あり」と、
花を愛する会計課係長が、
花を通じて事件関係者と心を通わせる「人ごと」、
この2編が私は好きだ。
警察物ばかりよく読む私だが、
やはり人間の汚さを見る作品よりは、
心が洗われるような作品の方がいいのである。