柳生平定記

多田容子「柳生平定記」を読んだ。

柳生平定記

柳生平定記

立て続けに多田容子の柳生シリーズを読んだが、
内容から見て、
柳生十兵衛が主人公のシリーズは、
これが最後のようだ。
この中でも、柳生新陰流の修行体系や思想が、
作家自身が修行者ならではの詳しさで書かれている。
シリーズすべてに渡って言えることだが、
手裏剣や体の使い方の記述などに、
古武術研究家として有名な甲野善紀先生や、
自分の修行の影響が随所に見られる。
私自身、
かなり以前に何度か甲野先生の講習会に出たことがあるし、
この作家自身の修行記を読んだこともある。
自分を生かす古武術の心得 (集英社新書 429H)

自分を生かす古武術の心得 (集英社新書 429H)

文献に基づいて書くだけでなく、
自分で実際に身体を使って武術を行う作家の作品は、
やはり違うものだとつくづく感じた。
またたまに読み返したいと思うシリーズであった。