ケンカ

長男が通う中学で三者面談があり、
家内が行ってきて内容を聞かせてくれた。
成績のことは、塾に行かせていることもあり、
基本的には問題ないとのことであった。
少し驚いたのは、
息子がクラスのやんちゃな生徒とケンカしたとの話であった。
しつこくからかわれたので息子が言い返すと、
相手が殴ってきたので殴り返したそうだ。
どの程度のケンカだったのかはわからない。
結局その生徒と息子と先生が話し合って解決したそうだが、
私が驚いたのは息子の態度である。
息子は小学校時代から気が弱く、
殴り返すどころか言い返すことさえできない子だったのだ。
それが今回言い返しただけでなく、
殴り返したというのだから、
不謹慎ながら私は心の中で快哉を叫んだ。
思えば、小さい頃からいじめられることの多かった息子には、
テコンドー、合気道などいろいろ習わせた。
私が昔やっていたフルコンタクト空手も教えた。
それでも気が弱い息子は自己主張ができなかった。
ところが、中学2年になって身長が伸び、
卓球部でも試合に出るようになったせいか、
だんだん自信がついてきたようであった。
家でも、沖縄空手のナイハンチという型をやらせ、
腹の底から気合を出す練習もした。
そうした様々なことが功を奏したのかもしれない。
ともかく、私にとっては眉をひそめる問題などではなく、
むしろ記念すべき喜ばしい出来事であった。