警官の血

先日図書館で借りた本に、
佐々木譲の警察小説もあった。

警官の血 上巻

警官の血 上巻

これは大作である。
祖父、子、孫と3代に渡って警官になった人たちの話で、
様々な謎が最後にわかるようになっている。
また、戦後すぐの時期から現代までの
警察の仕事の変化がよくわかる。
終戦直後の上野公園あたりの状況なども興味深いが、
私より少し前の世代であるいわゆる全共闘時代の
学生の雰囲気というのがリアルに伝わってくる。
私の知り合いでも、世代がずっと後になるにもかかわらず、
左翼系の運動に身を投じた人が数人いた。
私自身は組織に入るのは苦手なのだが、
時代の雰囲気というのは、
そうした個人の傾向をも飲み込んでしまうことがある。
読んでいて、
つくづくその時代に大学生にならなくてよかったと思った。