久しぶりにちょっと重い小説を読んだ。
「長英逃亡」である。
生徒さんに勧められて読んだのである。
名前だけは歴史ドラマなどで知っていたが、
詳しく知ったのは今回が初めてだ。
読んでいてつくづく時代を先取りした不運の人と思った。
シーボルトの弟子で群を抜いて優秀だったが、
国を啓発するような本を書いて幕府につかまる。
脱獄したことで追われる身となるが、
その逃亡生活が緊張の連続で読むほうも大変だ。
ただ救いは逃亡先の各地方で手助けしてくれたり、
匿ってくれる人が大勢いたことで、
その人たちが自分も罪に問われることも顧みず、
長英を救おうとする姿が現代人とは違うものを感じさせる。
久しぶりに重厚な作品を読んだ気がした。