シーボルトの眼

ねじめ正一シーボルトの眼」を読んだ。

シーボルトの眼 出島絵師 川原慶賀

シーボルトの眼 出島絵師 川原慶賀

生徒さんに貸していただいた「商人」を読んでから、
この作家の作品に興味を持ち、
見つけたのがこの小説である。
実在した長崎出島の絵師川原慶賀の話である。
以前、大村益次郎を主人公とする司馬遼太郎の「花神」を読んだが、
花神(上) (新潮文庫)

花神(上) (新潮文庫)

ここに出てくる「オランダお稲」や「二宮敬作」も登場するので、
より一層興味が持てた。
この作家の作品は、
読んでいて自然に目の前に作品の光景が浮かんでくるような気がする。
実在の川原慶賀が本当に葛飾北斎と交流があったかどうかはわからないが、
読んでいてあってもおかしくないような気がしてくる。
小説を読み終わってから、
川原慶賀のことを調べてみると、
伝統的な日本画法に西洋画法を取り入れた、とあった。
また残されている絵をネットで見てみたが、
確かに一種独特の雰囲気のある絵であった。
小説を通してこういう全く知らなかったことを知り、
自分の世界が少し広がるのは本当に面白い。