残穢

小野不由美残穢」を読んだ。

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

これはとても怖い話である。
いわゆる怪談物であるが、
普通のものとはかなり異なる。
話の中で起こる怪奇現象は、
よくありがちなもので特に目新しいわけではない。
何か畳を擦るような音がするとか、
赤ん坊の泣き声がするなどである。
しかし、
この怪奇を巡って調査を進めていくにしたがい、
明らかになっていく祟りや呪いというようなものが、
残り伝わっていく様が恐ろしい。
さらにそのリアルさが特徴的だ。
中に登場する出版関係の人々の名前は、
すべて実在の人たちだから、
この話がどこまで実話なのかわからず、
より恐怖を煽られる気がする。
何とも言えず怖い小説であった。