自白

乃南アサ「自白」を読んだ。

自白―刑事・土門功太朗 (文春文庫)

主人公の刑事は、
「落としの達人」と呼ばれ、
取り調べで犯人を自白に導く。
同じ主人公の4つの短編から成る。
特に、
取調室に居ながら、
部下の刑事たちが、
あちこちで調べあげた情報を集めて、
犯人を落とすあたりが興味深い。
刑事ものにありがちな、
同僚とのいがみ合いや足の引っ張り合いがなく、
家庭が崩壊していることもない。
また時代背景がうかがえる描写もよい。
さらにどの短編にもプロローグとエピローグがあり、
犯人や被害者サイドの視点で描かれるところもよい。
とにかくありがちな刑事ものとは、
少し異なる感じがあり、
ストーリーも面白く、
読み応えのある小説であった。