この命、義に捧ぐ

門田隆将「この命、義に捧ぐ」を読んだ。

この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡

この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡

かつての陸軍中将根本博を描いた作品である。
この本を読んで感心したことがいくつかある。
まず終戦直後、
中国張家口にいた根本は、
上層部からの武装解除命令に反発して、
ソ連の攻撃に対して徹底抗戦し、
約2万の日本人の一般人と兵士を無事に日本に送り届けた。
次に帰国後、
国禁を犯して台湾に渡り、
かつて敵であった蒋介石を助けて、
台湾金門島での中国共産党との戦いに軍事顧問として活躍した。
信念を貫いた日本人の気骨を改めて認識させられた。
また驚いたのは、
根本と関わりのある「白団」という軍事組織の徐白という人は、
日本語を流暢に操る軍人で、
徐紀先生の父親であったということだ。
徐紀先生と言えば、
武壇八極拳の達人として武術ファンには夙に知られる存在である。
徐紀先生のインタビューもあり、
その深い関わりを初めて知る事となった。
小説ではないが、
読みやすくインパクトのある本であった。