タナボタ

高嶋哲夫「タナボタ」を読んだ。

タナボタ!

タナボタ!

偶然国会議員となったプータローの主人公が、
政治の現実が分かってくるにつれ、
自分なりの正義感に基づいて、
議員という仕事に目覚め、成長する話である。
登場人物や政党の名前などが、
実在のものと紙一重で書かれているのが笑える。
どこまでがフィクションかはわからないが、
前半は特に、国会議員の世界とはこんなものか、
と嘆きたくなるほどの情けなさである。
後半の成長していく展開は、
昔見たアメリカ映画「スミス都へ行く」を思い出した。主人公の成長するスピードが速すぎるのに、
少し現実味が薄れる感じがしたが、
国会議員の実情がうかがえる面白い小説である。