自作ドラマ

去年末に亡くなった友人宅に、
昨日主だった友人たちが集まり、
引越しすることになった奥さんや子供たちから、
料理をご馳走になった。
引っ越し荷物を整理する過程で、
カセットテープが見つかったという。
中は、高校時代の友人たちが協力して作った声のドラマだった。
星新一ショートショートの小説をいくつか自分たちで脚色して、
それぞれ配役を決めて作ったものだった。
声はいかにも高校生という感じだったが、
BGMはもとより巧みに工夫して効果音が入っており、
それなりに演技していて立派な出来であった。
私は高校が違っていたので参加していないが、
中学時代には似たようなことをやっていたのを思い出した。
自分たちで怪談を作ってラジオ番組に投稿したりもしたものだった。
その記念すべき自作ドラマを録音したテープを聞いていて、
作っている過程の楽しさが想像できた。
また、それをずっと大事に持っていた亡き友人の思い入れが、
伝わってくるような貴重な遺品であった。
カメラやビデオなど今では精巧なものがいくらもあるが、
こうしたものは故人を偲ぶとても大きな記念になることがわかった。