馬賊に関する本(3)

「夕日と拳銃」は伊達順之助をモデルにしていても、やはり創作であるし、
馬賊戦記」の小日向白朗についても、誇張や脚色はあるだろう。
しかし、馬賊物とは少し違うが、石光真清の「曠野の花」に続く日記は、
本人が書いた日記だけに、本物の記録だと言えるだろう。

曠野の花―石光真清の手記 2 (中公文庫)

曠野の花―石光真清の手記 2 (中公文庫)

この人は、西南戦争終了後の薩摩で少年時代を過ごして、
後に大陸に渡って、表向きはクリーニング業を行いながら、
スパイ活動も行っていた。
大陸に渡ってからの詳細な記録もさることながら、
薩摩の子供時代の日々の記録も、
昔の立派な日本人が多かった時代をリアルに窺わせてくれる。