本にだって雄と雌があります

小田雅久仁「本にだって雄と雌があります」を読んだ。

本にだって雄と雌があります

本にだって雄と雌があります

まあなんともわからない本だ。
幻想小説というか、ファンタジー小説というか、
ユーモア小説でもあるし、
後半はちょっと感動さえする小説でもある。
何にせよ、
これまであまり読んだことのないタイプの小説である。
内容は、
自分の家に伝わる、
本にまつわる伝説に基づく話である。
普通私が小説を読む場合、
本筋とあまり関係がない場所は、
適当に流し読みする場合がある。
ところがこの小説の特に前半は、
一瞬たりとも全く気が抜けず、
一句読み飛ばしでもしようものなら、
そのギャグを読み飛ばしてしまう可能性がある。
それぐらい1行に1個ほど、
パロディやギャグが仕込まれている。
それがまたあまりにもっともらしく、
実在人物や史実も織り交ぜているので、
どこまでが本当か分からなくなる。
言葉の使い方としては、
万城目学森見登美彦に近いかもしれない。
とにかく、
この作家は才能と教養のある人だと思う。