80年代の北京(2)

何せ初めての海外旅行であったから、
留学説明会に行く、パスポートやビザを取る、
なども初めての事だらけだった。
北京への留学なのに、
一気に北京にはいることは出来ず、
一旦上海の空港で入国手続きをしてからの、
北京入りであった。
中国語の先生以外の中国人から、
初めて聞く生の中国語は、
当時のサービスのかけらもないスチュワーデスによる、
投げつけるような無愛想なものだったので、
速いスピードとともに聞き取りにくく、
ショックを受けたものだった。
留学メンバーも多士済々で、
社会人の人も何人かおられたし、
昔、満州鉄道で働いていた、
というおじいさんなども数人おられた。
上海空港に着いた時、1人のおじいさんが、
「パスポートをなくした!」と言われ、
空港でかなり待たされたあげく、
飛行機のイスに挟まっていたのが見つかった。
それでも一時は、1人だけ帰国になるところだった。