朝焼け

ほぼ毎朝、犬の散歩をしている。
充分目覚めていない身体を引きずって、外に出る。
昨日は大雨が降ったが、今朝は朝焼けが出ていた。
夕焼けは、何かしみじみした感じがあるが、
朝焼けは雰囲気が違う。
青い空にオレンジ色の雲が流れていて、
全体的に紫のような色彩が感じられる。
私が散歩に出る時間は、ほとんど外に人が歩いていない。
鳥の声以外、人の声もなく、
静かな中を犬と歩きながら、眼前の朝焼けを見ていると、
神秘的で荘厳な感じさえする。
日々私の頭の中には、
仕事や家族や様々な人間関係や将来への思いなど、
人間社会のことがほとんどを占めている。
飛行機に乗って眼下に雲海を見下ろすとき同様、
朝焼けを見ると、人間社会とは全く関わりなく存在する、
そしておそらくほぼ永遠に続く世界を感じる気がする。
犬の散歩という少々面倒な役割にも、
こういうときには役得があるのだ。