ファン

友人である作家、朱川湊人氏の作品は、
台湾でも出版されている。
その本を元に、台湾人留学生の多いクラスで、
翻訳の授業を行っている。
その本を教材に使い出してすぐ、
2人の学生が「知っている」と言い出した。
1人は、数年前にテレビの「世にも奇妙な物語」で、
ドラマ化されたのを知っていた。
またもう1人は、朱川作品が好きで本も持っていた。
その学生は私が朱川氏の友人だと知ると、
「サインをもらえませんか?」と、
台湾版の本を持ってきた。
朱川氏の作品「かたみ歌」であった。

かたみ歌

かたみ歌

サインは朱川氏に頼んでみることにした。
台湾版を読んでみると、
かなり正確に翻訳してある。
それを読むような学生は、
テレビ番組の名前や地名を知っている上に、
作品に描かれるレトロな雰囲気にも共感できるようだ。
日本人が台湾に行って、
日本ではもう味わえなくなった郷愁を感じることがある。
様々な歴史や流行や文化的影響から、
双方とも精神的土壌が近くなっているのだろう。