名前

昨日の生徒さんは、長く中国の瀋陽に駐在していた人だ。
卓球の福原愛ちゃんが、中国で人気だという話になった。
かつて瀋陽のチームに属し、流暢な中国語の東北弁を使い、
かわいくて親しみやすいそうだ。
もうひとつ、名前があると思う。
福原という姓は、やはり中国人にとって縁起が良い。
西洋ではどちらかというと忌み嫌われるコウモリを、
中国ではおめでたい動物であるとする。
「蝙蝠」の感じの音が、「福」と同じだからだ。
ここまで「福」に凝るのだ。
かつて、「福富」さんという生徒さんがおられた。
当時、年齢50代半ばで、頑張って勉強しておられた。
その人は、以前日本の会社から派遣で中国に赴任した。
前任者は「東条」という人で、
仕事の能力についてはわからないが、
中国では、この名前のせいで不人気だったらしい。
ところがこの「福富」さんは、
この縁起のよい名前だけでよい印象を持たれたようだ。
駐在の際に、ある中国人から、
「一緒に商売をしませんか?」と誘われて、
後に会社を退職して、起業した。
現在も元気にその会社を経営されているらしい。
こんなちょっとしたことでも、
中国では大きな影響があるという顕著な例だろう。