連城訣

金庸作品が私の教室で流行っていることは以前に書いた。
文庫本になったものは、その都度読んでから寄贈してくださる方がいる。
また、流行っているのを知って、
文庫化されていない自分のもっている単行本を寄贈してくださる方もある。
いずれの作品も読み出すと、
続きが知りたくなって一気に読んでしまうのだが、
内容はフィクションであって、いわゆる「お話」である。
しかし、読み終わってたいへん感動した作品もある!
それは、「連城訣」という作品である。

連城訣〈上〉菊花散る窓 (徳間文庫)

連城訣〈上〉菊花散る窓 (徳間文庫)

連城訣〈下〉雪華舞う谷 (徳間文庫)

連城訣〈下〉雪華舞う谷 (徳間文庫)

この話は、簡単に言えば、
無実の罪を着せられた主人公が投獄され、
とんでもないひどい目に遭いながらも武術を身につけ、
最終的に幸福を手にする、というものである。
紹介文にあるように、まさに「金庸巌窟王」なのである。
ただ、実は感動するのは作品の内容そのものよりも、
作者である金庸自身による後書きなのだ!
この悲惨きわまりない主人公には、実在のモデルがいた。
またさらに、その主人公に救いの手をさしのべた人が実際にいた、ということだ。
単なる荒唐無稽な空想小説として軽んじられるものではないのである。
興味のある方はぜひ読んでください。