螻蛄

黒川博行「螻蛄」を読んだ。

螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫)

螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫)

久しぶりに黒川作品を読んだ。
それも「疫病神」シリーズである。
最初に読んだ「国境」に衝撃を受けたが、
http://d.hatena.ne.jp/tanglou/20080321
これはその続編であり、
登場人物はおなじみの二宮と、
ヤクザの桑原である。
宗教団体の三種の神器にあたる巻物を巡り、
様々な人間が複雑に入り乱れて暗躍する。
二宮と桑原の掛け合いは相変わらずの面白さだが、
それにしてもよくこんな話を書けるものだと思う。
こうした複雑なストーリーと、
関西ヤクザテイストを描かせたら、
黒川博行に勝るものはないのではないかと思う。