蜩の記

葉室麟「蜩の記」を読んだ。

蜩ノ記

蜩ノ記

直木賞受賞作であるようだ。
江戸時代のある藩の話である。
10年かけて藩の歴史を書き終わった後で、
切腹しなければならない戸田秋谷の手伝いのため、
主人公の檀野庄三郎が戸田家にやってくる。
戸田家の人々との関わり、
村の農民との交流。
藩の歴史や陰謀への謎解きの要素もあり、
なかなか複雑な構成だがよく出来ている。
農民の子源吉のことなど悲しい話もあるが、
最後には救いもあり、
読み終わった後に腑に落ちる感じもある。
読みやすい上に充実感が得られる1冊であった。