かつて私が所属していた、
太極拳の団体の後輩から聞いた話。
この後輩が太極拳を始めて数年後、
70代の男性が入会してきた。
その人は先生の言う事を素直に実行し、
毎日基本功を数百回繰り返し、
真面目に内功や套路を練った結果、
短期間でかなり重い手や体となり、
後輩を追い抜く功夫を身につけたという。
しかしこれは例外中の例外である。
この男性というのは元々、
体を柔らかく使う武道の師範だった人で、
武術に対する姿勢や身体や気持ちが、
普通の人とは全然違うのに加えて、
仕事も引退していて時間もあったのである。
このように70代でも力をつけるのは、
決して無理なことではないが、
やはりごく僅かであろうと思う。