イブの帰り道

例年ウチでは、

クリスマスイブはチキンを食べる。

大手チェーン店のチキンを予約して、

それを夕刻に受け取りに行くのは、

毎年私の役目と決まっている。

予約しているものを受け取るだけで、

大した手間もかからないだろうと思うが、

まず隣の駅の店まで自転車で行かねばならず、

次に店は大勢の客でごった返しており、

予約カードを渡してもしばらくは待たされる。

しかし帰り道は自転車で、

まだ明るい夕方の道を走っていると、

「またこの時期になったのだな。」

と感慨を覚えるのである。

今では子どもたちも、

そんなに楽しみにしていないクリスマスイブだが、

私自身は仕事がほぼ終わった開放感とともに、

この帰り道はなんとも言えない心地に浸されるのである。