生徒さんの怪談(5)

さらに続き。
生徒さんが六甲山から帰り、
家で風呂に入っていると、
風呂の上の部屋を、
タタタと子供が走る音がした。
体重が重くなく速い感じで、
ネコなどの動物ほど小さくもない。
ちょうど小さな子供くらいだ。
生徒さんの家には妹さんがいたが、
10代後半で小さな子供ではない。
疲れているせいか、
生徒さんはあまり深く考えもせず、
自分の部屋で寝てしまった。
翌朝妹さんから、
「お姉ちゃんの部屋で、
子供が走るような音がした」
という話があった。
そう言えば風呂の上は、
生徒さん自身の部屋だった。
その後特に問題はなかったが、
六甲山から生徒さんが、
連れて帰ってきたのかもしれない。