ネコの挨拶

少し前に聞いた、
従弟の家のネコの話。
従弟の家ではネコが通れるスペースがあり、
数匹飼っていたネコは、
そこからいつでも自由に出入りできた。
ちょっとしたきっかけで、
新しいネコが1匹増えた。
ところが前からいた1匹と仲が悪く、
前からいたネコは、
ある日出て行ったきり帰ってこなくなった。
それから何年か経って、
突然そのネコが帰ってきた。
そしてその夜、
今まで入らなかった叔父の布団に入ってきた。
驚いて叔父が家族にそのことを告げると、
その後順番に家族の布団に入って行き、
最後には叔母さんの布団に入って、
翌朝そのネコは死んでいたという。
自らの死期を知ったネコが、
世話になった家族に別れを告げに戻ってきたのだ、
と従弟は話していた。