暗闇坂の人喰いの木

島田荘司暗闇坂の人喰いの木」を読んだ。

暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)

暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)

御手洗潔シリーズ。
とてもおどろおどろしい話。
暗闇坂と呼ばれる場所は、
本当に存在して10近くあるらしい。
この作品のモデルになったのは、
横浜の暗闇坂のようだ。
大きな人を食うという楠があり、
昔の楠に食われたという殺人事件と、
舞台になった80年代の殺人事件が重なり、
主人公の探偵によって明らかにされる。
怪談のような恐ろしい猟奇的な内容と、
物語そのものの奇想天外な発想。
読者の予想を裏切るであろう犯人像。
いずれも島田作品ならでは面白さである。
映画化の話もあったらしいが、
かなり猟奇的な話だけに難しかったのかもしれない。
挿話として出てくる死刑関連の話や、
その挿画もかなり恐ろしいものである。
十分読み応えのある作品であった。