ら抜き言葉殺人事件

島田荘司ら抜き言葉殺人事件」を読んだ。

ら抜き言葉殺人事件 (カッパ・ノベルス)

ら抜き言葉殺人事件 (カッパ・ノベルス)

小説家とその周辺の女性2人が殺された。
小説家は作品中の「ら抜き言葉」について、
指摘好きな読者と険悪な関係になっていたという。
主人公の刑事は、
それをめぐって捜査を始める。
この作品は発想そのものも面白いが、
中に出てくる日本語の問題、
さらに教育の問題など内容が興味深い。
ら抜き言葉」について書かれたところは、
コピーして残しておきたいと思うほどだ。
かつて私が学んでいた通訳育成教室の先生は、
ら抜き言葉」を毛嫌いされていた。
一方で日本語教師育成講座の先生は、
ら抜き言葉」は日本語の歴史的変遷を考えれば、
不自然ではないと言われていた。
推理小説としても少しヒネリが効いており、
意外な犯人像の面白い作品であった。