殺人にうってつけの日

ブライアン・フリーマントル「殺人にうってつけの日」を読んだ。

殺人にうってつけの日 (新潮文庫)

殺人にうってつけの日 (新潮文庫)

本を読む前に、
背表紙にある紹介文を読むと、
復讐ものとあったので読むことにした。
代表的な復讐ものである巌窟王を出すまでもなく、
ほぼ例外なく読者は復讐する側に感情移入する。
巌窟王 (講談社青い鳥文庫)

巌窟王 (講談社青い鳥文庫)

理不尽な罠に嵌められた主人公とともに、
復讐を応援しそれを果たした主人公とともに溜飲を下げる。
ところがこの作品は読み進むうちに、
綿密な復讐計画を実行していく主人公に、
同調できなくなるのに気付く。
勧善懲悪ものではなく、
案外複雑な内容であることがわかり、
そして意外な結末とそれを導く伏線。
読み終わってすっきりはしないが、
読み応えのある小説であった。